歯のノート

歯科ってどんな世界なのか多くの人に知ってもらいたいブログです。

虫歯を放置したらどうなるのか?

歯医者に来る患者さんのもっとも多い理由が虫歯です。

以前よりも減ってきたとは言いますが、今でも圧倒的に多い理由です。

では虫歯を放置するとどうなるのでしょうか?

 

  • 虫歯が小さいうちは?
  • 虫歯を放置して1ヶ月たってしまったらどうなるのか?
  • 虫歯を放置して歯に大きな穴があいてしまったら?
  • 虫歯の菌が根の先までいってしまったら?
  • 虫歯が原因でがんになることはあるのか?
  • 虫歯が原因で抜歯になることは多いのか?

 

このような疑問に一つ一つお答えします。

 

 

 

虫歯が小さいうちはほっておいてもいいのでしょうか?

結論からお伝えしますと、

どんなちいさな虫歯でもほっておくのは危険

です。

虫歯は虫歯になる原因があって、発生します。

原因がなくならない限りは、確実に進行します。

進行すれば、後述するように大きくがあいてしまったり、がとけてしまったり、抜歯に至ってしまいます。

 

では小さい虫歯は全部削るべきなのでしょうか?

大きさによっては削らずに予防処置を施すことで、治すことも可能です。何もせずに様子を見ていたら時間の問題で大きくなってしまいますが、原因を治すことで小さな虫歯なら治癒させることも出来るんです。

 

また、当然小さい虫歯ならかなり小さく削って白いレジンと呼ばれるプラスチックをつめて治すことも可能です。早いうちならですが。

 

 

虫歯は1ヶ月放置するとどうなるのでしょうか?

虫歯がかなり小さいうちは1ヶ月程度で重篤な状態になることはありません。

ですが、それなりの大きさの虫歯の場合、

早めに処置することで、神経を温存できる可能性も高まります。

1ヶ月をなめることは危険なことです。神経を温存できるのと、温存できないのでは雲泥の差ですからね。

 

また痛くないからだいじょうぶと思っている人いませんか?

これとっても危険な思い込みです。

虫歯はほとんど無症状で進行します。

痛くなった時点で神経まで虫歯の菌が到達していることも多いんです。

 

ですので、虫歯は早期発見が必須です。

そして、それを治療するのか予防するのかを担当医と相談して決めていくことが重要です。

 

虫歯を放置して歯に大きな穴があいてしまったら?

最近でこそ定期検診をする患者さんが増えてきましたが、以前は穴があいて来院する患者さんがほとんどでした。

 

穴があいたらすごい痛いのでは???

 

と思う人も多いと思います。

 

ですが、意外と無症状のことも多いんです。

虫歯が痛む時はたいてい神経まで虫歯の菌が到達しています。

穴があいたくらいでは、ちょっとしみるかな?という程度の症状であることが多いんですね。

 

では大きな穴があいてしまったらどうすればいいのでしょうか?

出来るだけ早く歯医者に行ってください。

 

まずはレントゲンを撮影して、虫歯の状態を把握することが大事です。いきなり削るよりもまずはレントゲンを撮影し、治療方針をしっかり決めることが重要です。

 

治療方針は先生によって、異なることもありますから、ご自身で納得が出来なければセカンドオピニオンを求めることもありではないかと思います。

 

虫歯の菌が根の先までいってしまったら?

虫歯は放置しすぎると、神経の中で虫歯の菌が繁殖して根の先まで到達してしまうことがあります。

 

これは最悪なパターンですね。

 

本来、根の先は骨に包まれています。そこまで虫歯の菌が到達することは意外と多いんですよね。

 

ご自身の腕とか見える組織で、細菌が骨まで到達したことを想像してみてください。かなりショッキングな映像になりそうですよね。

それと同じことが口の中では容易に起こります。見えているか見えていなかの違いです。

 

では根の先までいってしまったらどうなるでしょうか?

 

 

簡単に言うと骨がとけます。後述しますが、骨がとけた場合は大きな手術が必要になることもあります。

 

ですので早めに歯医者で根の治療を行うことが必要になってきます。場合によっては抜歯になることも少なくありません。もちろん重症度によって異なるため、治療は早ければ早い方が安心です。

 

虫歯が原因でがんになることはあるのでしょうか?

虫歯が原因でがんになることはまずありません。直接的には。

 

ただ、骨まで細菌感染が及んだ場合ひどい場合はかなり大きな病気になってしまうこともあります。

先ほど根の先に細菌が到達すると、骨がとける言いました。

それをさらに放置すると顎の骨の大部分がとけてしまいます。

顎の骨の大部分がなくなってしまった場合、骨を移植するために腰の骨を移植するケースもあります。当然歯は抜歯した上での話です。

もちろん大学病院で入院となります。

 

虫歯が原因で抜歯になることは多いのでしょうか?

ここまで読み進めていただいた人はもうお分かりかと思います。

虫歯が初期の段階で抜歯になることはほぼありません。

 

ですが、放置した結果抜歯になることは非常に多いと感じます。

 

あと1年早く来ていれば抜歯にならず、簡単な治療ですんだのになーと思うことは日々あります。

 

日本ではまだまだ定期検診が浸透していないのかもしれません。

 

 

まとめ

小さい虫歯は症状がありません。そのため放置されてしまうことが多いように感じます。

また歯医者で、小さい虫歯なので様子を見ましょうと言われて放置することも多いようです。

これはとても重要なことなのですが、歯医者が様子を見ましょうと言っている時は「経過観察」といって、虫歯が大きくならないように予防処置を行いながら、定期検診を続けることを示唆しています。

 

決して様子を見ましょう=放置して大丈夫ですよ

と言っているわけではありません。

 

虫歯のコントロールには定期検診と予防が欠かせません。

なかなか一人でそれを行うことは難しいので、3ヶ月に1回程度は歯医者に任せた方が簡単です。

またそれをしっかり行ってくれる自分にあった先生、医院を見つけることがとても重要です。

ぜひ3ヶ月に1度程度の検診を行うように努めてください。